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項(こう、argument)は、言語学における統語論の用語。語彙範疇(名詞・形容詞・動詞など、単なる文法機能以外に独自の意味をもつ語またはそれと同等の機能)によって選択されている要素。論理学における同名の用語に由来する。論理学で「述語」が一定個数の「項」を要求するように、個々の語彙範疇によって異なる数の項が要求され、必要な数の、それぞれ適切な特徴を備えた項があって語彙範疇は充足される。 動詞に関しては、主語・目的語・補語などと呼ばれるもの(明示されるとは限らず、動詞の変化や文脈で表されることもある)に相当する。 項に対して、語彙範疇によって選択されていない要素で文に生起している要素を付加詞 (adjunct) という。これは伝統的に修飾語と呼ばれているものにほぼ相当する。 また、文の階層構造の中で「潜在的に項が生起する位置である」という位置を項位置(または、A位置)といい、項ではないがさまざま特徴を項と共有し、述部との一致を引き起こす虚辞が現れる場合がある。 == 項の特徴 == # 選択された項がないと不適格となる。 #:例えば、動作主と対象の2つの項を選択する動詞「磨く」の場合、適切な2つの項を持つ「太郎が床を磨いた」は適格であるが、表現されていない項がある「太郎が磨いた」は(その表現されていない項の指示対象が文脈・談話中に既に存在していない限り〔文脈・談話中に指示対象が既に存在していれば適格となるが(例:「誰が床を磨いたの?」「太郎が磨いた」)、この場合は、日本語にある音形を持たない代名詞(空代名詞、''pro'')が項を充足している。なお、代名詞は既知の対象を指示するので、指示対象が文脈・談話中に既に存在していなければ使えない。〕)不適格である。 # wh移動(英語などで疑問詞が文頭に出る現象)において、島(従属節など)から摘出しても付加詞ほどの逸脱性を示さない。 # 主辞内在関係節は項位置にのみ生起可能である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「項 (言語学)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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